「煙草」これは特殊なアイテムです。この1単語だけでさまざまな想像ができる。煙草はもはや文化であり、文学や音楽の中にもしばしば登場します。小道具として非常に優秀です。
その中でも、今日は歌詞における煙草の効果を考察してみたいと思います。
煙草は文化
煙草そのものの歴史は長いです。アメリカンスピリットの柄わかりますか?ネイティブアメリカンがぷかぷかやってるあれです。元々煙草というのはアメリカ大陸の先住民が吸っており、神聖なものでもあったと聞いたことがあります。そこから、ヨーロッパへと伝わり、今では嗜好品として世界中に存在しています。
僕たちにとっての煙草
僕たちにとっての煙草はどういったものでしょうか。「かっこいい」「不良」など様々なイメージが浮かぶでしょう。
今でこそ禁煙の流れがありますが、昭和では路上喫煙は当たり前、喫煙率も今よりも格段に高い。昔の映像や、映画、文学には大抵煙草が登場します。それは芸術(フィクション)においては、リアリティを演出してくれる小道具です。煙草を吸う姿は、きっと誰でもイメージできますよね。そういう写実的な描写を可能にしてくれるのが煙草なのです。
そして、煙草の持つ意味は様々で、徐々に変化していると僕は思います。
先ほど述べたように、煙草は20世紀の映画や文学に登場しまくっていた。(今ももちろんですが)
特に映画の中で、ハリウッドスターがかっこよく煙草を吸って歩きます。そうゆうかっこよさに憧れた若者が煙草を吸うようになります。煙草は男の「かっこよさ」を演出する効果をもつようになりました。
そして、音楽の世界でも煙草は登場します。セックス・ピストルズが登場し、ロックが社会を揺らします。その後ニルヴァーナが出てきて、ロックが音楽のてっぺんを取ります。彼らは煙草をふかしながらギターを弾き、インタビューを答える。ロックバンドにとって、煙草はマストなアイテムとなりました。
周知の通り、煙草には害があります。害があると規制されます。禁止されるとやりたくなるのが人間です。未成年は大人への抵抗で、煙草を吸うようになります。ここで、煙草はワルイというイメージができます。
このように煙草は時代と共にどんどんと意味をくっつけてここまでやってきました。
今でも、不良生徒は煙草を吸って、ロックバンドも、渋い大人も煙草を吸うのです。もちろん吸わない人もたくさんいますが、そうゆうイメージが今も残っています。
歌詞における煙草
ここからが本題。現代では、煙草に1つ面白いイメージが付いています。それは「恋愛」です。
具体的には、「元彼」「失恋」です。
たくさんの歌詞に煙草が登場します。僕が1番最初に思いつくのは宇多田ヒカルのFirst Love。
最後のキスは
タバコのflavorがした
ニガくて切ない香り
『First Love』宇多田ヒカル
煙草は他にも失恋ソングにバシバシ使われます。
あなたの好きな煙草
私より好きな煙草
『染まるよ』 チャットモンチー
気づかないふりをしてそのまま
つけるタバコが大嫌い
『シンデレラボーイ』 Saucy Dog
このように、煙草は失恋と結びつきます。煙草と聞くとほとんどみんな匂いを想像できるはず。その匂いは、男の匂いでもあり、そしてしつこく残る。それは失恋して、元恋人を忘れられない様子と重なるわけです。
あの人との思い出が頭に残って離れない。部屋に残った煙草の匂いみたい。
こんな具合なのです。そして、この煙草は、現代における最も強力な若者文化の核である「エモい」を演出することのできる道具でもあるのです。
おわりに
以上が歌詞における煙草から見た、エモさと結びつく煙草についてのゆるい考察です。
特に根拠があるわけではありませんが、ただ僕が思ったことを書きました。
最後まで読んでくれてありがとう。ではまた。